K-1 若桜橋 若桜町若桜
橋梁:鉄筋コンクリート造・3連・無ヒンジアーチ橋
昭和9年(親柱銘)
若桜橋は、幕末から昭和20年迄の優れた建造物を指定する「土木学会選奨土木遺産」に平成16年度に選ばれた八東川に架かる橋梁である。県内では14年度に選ばれた智頭町芦津の三滝ダムに続いて2件目である。当時は、「白亜のモダン橋」や「モダンなアーチ型の白橋」と称され町の新たな名所となった。
施工は当時の八頭郡賀茂村の井口吉蔵氏が請負い、昭和8年9月20日に着工し45,000円の工費を費やして、橋長83.0m幅員5.5mの鉄筋コンクリート造・3連・無ヒンジアーチ橋が完成した。竣工式は昭和9年7月31日に行われ、式には県知事をはじめ県の各関係者、地元町長、地元小学校生徒等が参列した。尚、当日地元若桜町では全戸国旗を掲揚しこの竣工を祝福した。
この橋の架設に伴い、兵庫県とを結ぶ交通の要として、また、町の産業の発展を願って、町内を通り抜ける従来からの曲線道路を直線に変更し、町役場も現在の位置に移転した。これは、町の当局者と町民の理解と協力によるものであった。
構造は、ほぼ同時期に建設が進められ、先に着工し竣工していた伯耆町長山の登山橋と同型といわれ、この橋を参考にしたと思われる。また、当時の橋梁で3連という規模のアーチ橋は非常に珍しい。
現在は、両高欄の外側にアルミパイプが添架されているのと、上流側に歩道橋が架かっている為に下流側からしか望めないが、それ以外は当初の姿を残している。