フラビウイルス科に属するウエストナイルウイルスによる感染症で、蚊によって媒介される。
2~14日の潜伏期の後に高熱で発症する。発熱は通常3~6日間持続する。同時に頭痛、背部の痛み、筋肉痛、食欲不振などの症状を有する。発疹が胸部、背、上肢に認められる場合もある。通常リンパ節腫脹が認められる。症状は通常1週間以内で回復するが、その後全身倦怠感が残ることも多い。特に高齢者においては、上記症状とともに、さらに重篤な症状として、激しい頭痛、悪心、嘔吐、方向感覚の欠如、麻痺、意識障害、痙攣等の症状が出現し髄膜脳炎、脳炎を発症することがある。重篤な例で筋力低下が約半数に認められている。
ア 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見からウエストナイル熱が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ウエストナイル熱患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
イ 無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ウエストナイル熱の無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
ウ 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、ウエストナイル熱が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ウエストナイル熱により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
エ 感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、ウエストナイル熱により死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
検査方法
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検査材料
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分離・同定による病原体の検出
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血液、髄液
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PCR法による病原体の遺伝子の検出
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IgM抗体の検出
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血清、髄液
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ペア血清による中和抗体陽転又は中和抗体価の有意の上昇
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血清
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