チフス菌(Salmonella serovar Typhi)の感染による全身性疾患である。
潜伏期間は7~14日で発熱を伴って発症する。患者、保菌者の便と尿が感染源となる。39℃を超える高熱が1 週間以上も続き、比較的徐脈、バラ疹、脾腫、下痢などの症状を呈し、腸出血、腸穿孔を起こすこともある。重症例では意識障害や難聴が起きることもある。無症状病原体保有者はほとんどが胆嚢内保菌者であり、胆石保有者や慢性胆嚢炎に合併することが多く、永続保菌者となることが多い。
ア 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から腸チフスが疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、腸チフス患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。鑑別を必要とする疾患は、パラチフス、マラリア、デング熱、A型肝炎、つつが虫病、チクングニア熱である。
イ 無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、腸チフスの無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
ウ 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、腸チフスが疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、腸チフスにより死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
エ 感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、腸チフスにより死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
検査方法
|
検査材料
|
分離・同定による病原体の検出
|
血液、骨髄液、便、尿、胆汁
|