尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス、HPV)の感染により、性器周辺に生じる腫瘍である。ヒトパピローマウイルスは80種類以上が知られているが、尖圭コンジローマの原因となるのは主にHPV6型とHPV11型であり、時にHPV16型の感染でも生じる。
感染後、数週間から2~3か月を経て、陰茎亀頭、冠状溝、包皮、大小陰唇、肛門周囲等の性器周辺部に、イボ状の小腫瘍が多発する。腫瘍は、先の尖った乳頭状の腫瘤が集簇した独特の形をしており、乳頭状、鶏冠状、花キャベツ状等と形容される。
尖圭コンジローマ自体は、良性の腫瘍であり、自然に治癒することも多いが、時に癌に移行することが知られている。特に、HPV16,52,58,18型などに感染した女性の場合、子宮頚部に感染し、子宮頚癌の発癌要因になることもあると考えられている。
ア 患者(確定例)
指定届出機関の管理者は、当該指定届出機関の医師が、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から尖圭コンジローマが疑われ、かつ、(4)により、尖圭コンジローマ患者と診断した場合には、法第14条第2項の規定による届出を月単位で、翌月の初日に届け出なければならない。
イ 感染症死亡者の死体
指定届出機関の管理者は、当該指定届出機関の医師が、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、尖圭コンジローマが疑われ、かつ、(4)により、尖圭コンジローマにより死亡したと判断した場合には、法第14条第2項の規定による届出を月単位で、翌月の初日に届け出なければならない。