病原性レプトスピラ(Leptospira interrogans など)による、多様な症状を示す急性の熱性疾患である。
病原性レプトスピラを保有しているネズミ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタなどの尿で汚染された下水や河川、泥などにより経皮的に、時には汚染された飲食物の摂取により経口的にヒトに感染する。
黄疸、出血、腎障害などの症状が見られる。
重症型の黄疸出血性レプトスピラ病(ワイル病)と、軽症型の秋季レプトスピラ病やイヌ型レプトスピラ病などがある。
ワイル病は黄疸、出血、蛋白尿を主徴とし、最も重篤である。潜伏期間は3~14日で、突然の悪寒、戦慄、高熱、筋肉痛、眼球結膜の充血が生じ、4~5病日後、黄疸や出血傾向が増強する場合もある。
ア 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見からレプトスピラ症が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、レプトスピラ症患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
イ 無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、レプトスピラ症の無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
ウ 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、レプトスピラ症が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、レプトスピラ症により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
エ 感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、レプトスピラ症により死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
検査方法
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検査材料
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分離・同定による病原体の検出
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血液、髄液、尿
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PCR法による病原体の遺伝子の検出
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顕微鏡下凝集試験法(MAT)による抗体の検出
(ペア血清による抗体陽転又は抗体価の有意の上昇)
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血清
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