潜伏期は通常10~12日間であり、症状はカタル期(2~4日)には38℃前後の発熱、咳、鼻汁、くしゃみ、結膜充血、眼脂、羞明などであり、熱が下降した頃に頬粘膜にコプリック斑が出現する。発疹期(3~4日)には一度下降した発熱が再び高熱となり(39~40℃)、特有の発疹(小鮮紅色斑が暗紅色丘疹、それらが融合し網目状になる)が出現する。発疹は耳後部、頚部、顔、体幹、上肢、下肢の順に広がる。回復期(7~9日)には解熱し、発疹は消退し、色素沈着を残す。肺炎、中耳炎、クループ、脳炎を合併する場合がある。麻しんウイルスに感染後、数年から十数年以上経過してSSPE(亜急性硬化性全脳炎)を発症する場合がある。
なお、上記症状を十分満たさず、一部症状のみの麻しん(修飾麻しん)もみられることがある。これはワクチンによる免疫が低下してきた者に見られることが多い。
ア 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から麻しんが疑われ、かつ、(4)の届出に必要な要件を満たすと診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
イ 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、麻しんが疑われ、かつ、(4)の届出に必要な要件を満たすと診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
ア 麻しん(検査診断例)
届出に必要な臨床症状の3つすべてを満たし、かつ、届出に必要な病原体診断のいずれかを満たすもの。
イ 麻しん(臨床診断例)
届出に必要な臨床症状の3つすべてを満たすもの。
ウ 修飾麻しん(検査診断例)
届出に必要な臨床症状の1つ以上を満たし、かつ、届出に必要な病原体診断のいずれかを満たすもの。
届出に必要な臨床症状
ア 麻しんに特徴的な発疹
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イ 発熱
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ウ 咳嗽、鼻汁、結膜充血などのカタル症状
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届出に必要な病原体診断
検査方法
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検査材料
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分離・同定による病原体の検出 |
咽頭拭い液、血液、髄液、尿 |
検体から直接のPCR法による病原体の遺伝子の検出 |
抗体の検出(IgM抗体の検出、ペア血清での抗体陽転又は抗体価の有意の上昇) |
血清 |