エムポックスウイルス(Monkeypox virus)による急性発疹性疾患である。
ウイルスを保有するヒトやげっ歯類などの動物との接触、及びそれらの皮膚粘膜病変、血液、体液などの接触により感染する。感染したヒトとの接触(性的接触を含む)の他、接近した体面による飛沫への長時間の曝露、体液や飛沫で汚染された寝具等との接触によっても感染する。
潜伏期間は通常7~14日(5~21日)である。皮疹、粘膜疹、その他の皮膚粘膜病変、発熱、頭痛、筋肉痛、背部痛、咽頭痛、肛門直腸痛、倦怠感、リンパ節腫脹がみられる。致死率は低い。
ア 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見からエムポックスが疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、エムポックス患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
イ 無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、エムポックスの無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
ウ 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、エムポックスが疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、エムポックスにより死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
エ 感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、エムポックスにより死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
検査方法
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検査材料
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分離・同定による病原体の検出
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皮膚又は粘膜病変、水疱内容液、鼻咽頭
拭い液、咽頭拭い液、肛門直腸拭い液、
その他粘膜拭い液、血液、尿、その他検査
方法に適する材料
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病原体の特異抗原の検出
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検体から直接の核酸増幅法による
病原体の抗原の検出
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